新しい日米関係 2015 11 1
書名 誰も知らない新しい日米関係
著者 日高 義樹 海竜社
この本は、論点が多いと思います。
そこで、いくつかを取り上げましょう。
「第二次朝鮮戦争の対応について」
この問題については、
私は、2011年に「再び朝鮮戦争が始まったとき、
邦人の救出は、どうするか。
あまりに数が多すぎて、
アメリカ軍と韓国軍に依頼することはできない。
結局、日本の陸上自衛隊の韓国派遣は避けられない」と書きました。
第二次朝鮮戦争についても、激戦になるかもしれません。
北朝鮮については、弾道ミサイルに搭載するために、
核兵器の小型化という問題が語られますが、
私は、2003年に「無理に核兵器を小型化する必要はないだろう」と書きました。
北朝鮮は、38度線近くの上空で、
核兵器を爆発させるという手法があります。
この結果、膨大な量の電磁波が発生して、
電子機器は死滅します。
核兵器を電磁波兵器として使うのです。
これでハイテク国家である韓国は死滅します。
もちろん、強い放射線が残りますが、
その下を北朝鮮の兵士は進軍することになります。
戦力に大きな差がある場合は、
前線で核兵器を爆発させて、
その後で、陸軍兵士を進軍させるという手法があります。
このような手法は、冷戦時代、
欧州戦線でも検討されたことがあると聞いたことがあります。
冷戦時代、ソ連の地上軍の兵力が、
NATO軍の兵力を圧倒していて、
こうした劣勢を挽回するために、
ソ連軍の前方で戦術核兵器を爆発させてから、
NATO軍が進軍するという作戦です。
私は、青年時代に、
最前線で戦術核兵器の爆発があったときに、
陸軍兵士を進軍させるには、
どういう問題が発生するかというシナリオを読んだことがあります。
戦車は意外に気密性が高く、
核兵器爆発後の戦場において有効であるという記憶が残っています。
「日米同盟における自衛隊の役割について」
国会で、集団的自衛権の議論の際に、
日本の自衛隊がアメリカ軍を助けるという議論があったと思いますが、
実戦において、そういう機会は少ないかもしれません。
なぜならば、アメリカ軍は自己完結性が高く、
外国軍の支援を受けなくても、十分に戦えるからです。
アメリカが日本に求めているのは、
「サイバー戦争」対策だと思います。
現在、アメリカと戦って勝つことができる国は存在しません。
しかしながら、「サイバー空間」においては、
アメリカを混乱させることができる国が多数存在します。
こうした「サイバー空間」という「新しい戦場」において、
アメリカは、日米同盟を必要とするかもしれません。
多くの人は、時代遅れになっているのです。
確かに、今後も、地上において戦闘は続くかもしれません。
しかし、今後は、主力部隊を「サイバー空間」に移す必要があるかもしれません。
日本においても、陸軍、海軍、空軍(宇宙軍)、サイバー軍という編成が必要です。
もう、戦争は始まっているかもしれません。
第三次世界大戦は、サイバー戦争だった。
後世の歴史家は、そう書くかもしれません。
にもかかわらず、日本の国会の論戦は、
「昭和」の色彩が、かなり濃い。
日本の国会は、「歴史遺産」なのか。
invisible War 2015 2 22
書名 情報立国・日本の戦争
著者 山崎 文明 角川新書
確かに、アメリカは、
通常兵器においても、核兵器においても、
世界最強の国家です。
しかし、サイバー戦争を仕掛けられたら、
アメリカは、世界最強の国家とは言えません。
意外に、もろいものがあります。
だから、そういうアメリカに安全保障を依存している日本も、
脆弱な国家と言えるでしょう。
さて、この本の目次を見ると、
なかなか刺激的なタイトルが並んでいます。
「ハッカーに狙われたトヨタのプリウス」
「二年に一度、韓国はサイバー攻撃に襲われている」
「サイバー演習の本当の標的は日本?」
「些細なミスが国家を滅ぼす」
「コピー複合機で機密情報が漏れている」
「複合機は身近な超ハイテクマシンだった」
「サイバー・ジハードでNY株を暴落させたシリア電子軍」
さて、日本の国会中継を見ていると、
本当に「時代遅れ」ですね。
彼ら(国会議員)は、
いまだに「昭和の時代」を生きているから仕方ないですね。
彼らの思考も発想も、「昭和」の色彩が濃い。
もはや、時代から、30年近く、取り残されています。
年を取ると、時代に追いついていくのが辛くなるので、
国会は、20代や30代の国会議員を増やしていく方がよいでしょう。
さて、少し気になることがあります。
電子メールで、送信すると、各国の情報機関に読み取られる可能性があります。
そういう危険があるならば、そもそも送信しなければよい。
この本には、「メールの下書きを利用して警察を欺く」で、
最近は、ウェブメールが増えているという。
送信者は、ウェブメールでメッセージを入力した後で、
そのメールを送信しないで、「下書き」として保存しておく。
次に、受信者は、送信者と同じメールアドレスで、
ウェブメールのサイトにログインして、
下書きに保存されているメッセージを読む。
こうすれば、メールを送信しなくても、メッセージを確認できる。
この手法は、一つのメールアドレスとパスワードを共有すれば、
誰でもできる簡単な方法だが、
メールの送受信がないので、「傍受」される恐れがない。
(引用、以上)
「ドッグイヤーの時代」
私は、何度か書いていますが、
犬が1年で7歳も年を取るように、
IT業界も、1年で7年分も進化します。
つまり、驚異的な進化をするIT業界にとって、
1年は7年分に相当します。
テロリストの世界も、「ドッグイヤーの時代」を迎えています。
IT技術を使って、テロリストも1年で7年分も進化しています。
にもかかわらず、日本の国会の論戦は、
「昭和」の色彩が、かなり濃い。
日本の国会は、「歴史遺産」なのか。
もう、戦争は始まっているかもしれません。
第三次世界大戦は、サイバー戦争だった。
後世の歴史家は、そう書くかもしれません。